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顧客サポートの現状とこれから 〜コールセンター/コンタクトセンターで急務となるチャット等のノンボイスソリューション対応〜

2017.02.28 TREND

マニュアルから電話対応へ、顧客サポートを振り返る

顧客サポートは多くの企業にとって重要なサービスです。通信販売業界やサービス業界では必須といってよいでしょう。対応によっては、お客さまが一転してネットで誹謗中傷を拡散する風評被害を巻き起こす場合もあり、疎かにはできません。

顧客サポートの歴史を遡ると、大きく注目されはじめたのは1980年代。パーソナルコンピュータをはじめとした情報機器が飛躍的に普及した時代です。顧客満足度(Customer Satisfaction : CS)という言葉も使われるようになりました。

顧客サポートのルーツは印刷された「マニュアル」と考えることもできそうです。ソフトウェアは、長い手順の説明が必要になります。ワープロにしてもPCにしても、当初は分厚い電話帳のような紙のマニュアルが添付されていました。

マニュアルの巻末には「困ったときに」というFAQのページがあります。しかし、ユーザーはマニュアルを読むこと自体が面倒であり「直接電話で質問した方が早い」と考えます。この顧客ニーズから、電話による問い合わせが増えました。

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問い合わせ電話の増加にしたがって、コールセンターでは、お客さまからの質問をデータベースに蓄積する情報化が進展。頻度の高い質問の優先順位を自動的に上げたり解決方法を迅速に検索したり、集中管理をするようになりました。蓄積したビッグデータを分析して、商品開発に役立てる企業もあります。

コールセンターは、電話やFAX、メール、Webサイトなど複合的なコミュニケーションを扱うコンタクトセンターとして拡充しつつあります。顧客と企業をつなぐハブとして、なくてはならない存在です。

コールセンター/コンタクトセンター業界は堅調な成長

顧客サポート業界の市場規模は、どのようになっているのでしょうか。

株式会社矢野経済研究所の「コールセンター市場総覧2017 ~サービス&ソリューション~」では、「コールセンター(テレマーケティング)市場」と「コンタクトセンター/CRM ソリューション市場」に分けて、市場規模の推移と今後を予測しています。

「2013 年度から 2018 年度のコールセンター(テレマーケティング)の市場規模は、年平均成長率(CAGR)1.9%で推移し、2018 年度には 8,831 億円になる」とのこと。 一方、コンタクトセンター/CRM ソリューションに関しては「年平均成長率(CAGR)2.7%で推移し、2018 年度には 4,945 億円に達する」見込みです。電話を主体としたコールセンターに対して市場規模は小さいとはいえ、コンタクトセンター市場の方が年平均成長率では高くなっています。コールセンターの安定成長とともに、複合的なコンタクトセンターのソリューションが拡大しつつある構図でしょうか。

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一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ)の「2016年度テレマーケティング・アウトソーシング企業実態調査」(2016年7月22日~8月23日実施、対象95社、回収55社、回収率57.9%)においても、2016年度は2015年度と比較して約325億4,000万円(前年度比4.4%)増加という結果になりました。2015年と比較可能な25社では、売上が約102億4,000万円(前年度比1.4%)増加となり、25社のうち15社で売上の増加が報告されました。

大手企業ではWebを経由した顧客からのクレームや問い合せのコンタクトと電話対応を融合させるニーズがあり、中小企業では安価なクラウドサービスを自社内で導入することから、市場の成長性が見込めるのではないか、という見解もあります(参考:「17年度のコールセンター市場規模は8,637億円に」財経新聞・2016年2月2日)。

http://www.zaikei.co.jp/article/20160202/291305.html

80%がインバウンド需要、高度化するオペレーション

コールセンター/コンタクトセンターの電話業務には、問い合わせを受け付けるインバウンド業務、顧客開拓やコンタクトのために電話をかけるアウトバウンド業務があります。CCAJの調査では、55社のうち「インバウンドのみ」6社、「インバウンドの方が多い」38社で、全体で80%を超える企業がインバウンド主体の業務を行っていることが分かりました。

電話によるインバウンド需要に応えるためには、人員の確保が重要になります。とはいえ、問題は「離職率9割」として名高いオペレーターの離職率の高さです。

離職率の高いオペレーターを確保する対策方法のひとつに「在宅コミュニケーターの活用」」があります。しかしながら、前述の調査では81.8%(45社)の企業が、在宅コミュニケーターの採用で「予定なし」と回答しています。理由としては「セキュリティ上の問題」69.1%(38社)が最も多く、「労務管理上の問題」45.5%(25社)と「品質管理上の問題」43.6%(24社)と続きます。

一方で業務自体も、多チャンネル対応と外国語対応が標準になりつつあります。

電話・FAX・電子メール・Webすべてのチャンネルに対応している企業は60.0%(33社)であり、外国語対応を行っている回答は58.2%(32社)で、いずれも増加傾向にあります。訪日外国人を商機ととらえる方のインバウンド需要においても、2020年東京オリンピックに向けて、英語だけでなく中国語など多言語対応が求められそうです。

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チャットなどノンボイスのソリューション導入が急務に

チャットによる対応が増えていることも大きなトレンドです。CCAJの調査によると、チャット対応を行っている企業は55社のうち19社(34.5%)。前年度より7社増えました。導入の「予定がある」企業も加えると半数を超えます。

矢野経済研究所の報告書のサマリーでは、電話による問合せが減少する一方、Webを経由したノンボイス(テキスト)の問い合せの増加が指摘されています。コンタクトセンターは「インフラ重視からアプリケーション重視へ」移行すると予測。顧客サポート全体は、モバイル端末、メールやチャットによるテキストの問い合わせが増加することを指摘しています。音声認識や会話のテキスト化が必要になり、ビッグデータの収集と分析の需要が高まることを導き出していることも注目すべき点です。

多チャンネルや外国語対応のニーズがある一方で、オペレーターの離職率と採用コストの上昇、採算性の悪化が懸念されるコールセンター/コンタクトセンター業界。現状を打破するには、チャットボットを使ったソリューションが効果的ではないでしょうか。

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mm
石井 智宏 モビルス株式会社 代表取締役

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